クボタ液中膜システム
液中膜は、自然にやさしい排水処理を実現するために開発された微多孔性膜を利用する浸漬型の膜分離装置。
コンパクトなシステムでありながら、高度な処理水を得ることが可能です。 浄化槽や産業廃水等幅広い分野で採用されている技術です。
液中膜の特徴
①設備全体がコンパクトに
液中膜は、ばっ気槽などの水槽内に設置する固液分離装置。高濃度活性汚泥処理に対応するうえ、高度処理も行えるので、沈殿槽が不要で施設設置面積が従来方式の50%小さくするこができます。
②膜分離だから安定した処理水質
汚れの成分(SSや硝化菌・脱窒菌など)の粒子サイズが大きいことを利用した物理的な処理ですから、高度処理なしでそのままトイレ用水や散水用水として再利用できます。
③省エネ運転で、維持管理も簡単
重力ろ過が可能で、吸引ろ過する場合でもわずかな動力費ですみます。また、液中膜の据付けやメンテナンスのための引き上げも、ガイドレール(オプション)に沿って昇降させるだけですから、簡単でスピィーディーに行えます。
④短期間・低コストでの建設が可能
設備全体がシンプルで、補機類も少ないため施工が簡単で、短工期・低コストでの建設が可能です。
液中膜 膜カートリッジのしくみ
膜カートリッジの両面に貼られた膜材は、塩素化ポリエチレンを原料とした公称孔径0.4μmの微多孔性膜です。
処理水はスペーサーを通り、ノズルから排出されます。
クロスフローろ過方式
分離対象液が膜面と平行に流れ、処理水は膜面に直角に透過します。 ばっ気水流で常時セルフクリーニングをすることで、膜表面に堆積物が生じにくい構造となっております。
高度処理型合併浄化槽(膜)
処理方式
凝集剤添加型膜分離活性汚泥方式
処理対象人員
51~10,000人(日平均汚水量:10.2~2,000m3)
大臣認定
建設省阪住指発157号
処理水質
生物化学的酸素要求量(BOD) | 5mg/ℓ |
---|---|
化学的酸素要求量(COD) | 10mg/ℓ |
浮遊物質量(SS) | 10mg/ℓ |
ノルマルヘキサン油出物質含有量 | 3mg/ℓ |
大腸菌郡数 | 100個/cm3 |
窒素含有量(T-N) | 10mg/ℓ |
燐含有量(T-P) | 0.5mg/ℓ |
フローシート
BOD型合併浄化槽
処理方式
凝集剤添加型膜分離活性汚泥方式
処理対象人員
51~10,000人(日平均汚水量:10.2~2,000m3)
大臣認定
建設省阪住指発156号
処理水質
生物化学的酸素要求量(BOD) | 5mg/ℓ |
---|---|
化学的酸素要求量(COD) | 10mg/ℓ |
浮遊物質量(SS) | 5mg/ℓ |
ノルマルヘキサン油出物質含有量 | 3mg/ℓ |
大腸菌郡数 | 100個/cm3 |
窒素含有量(T-N) | 20mg/ℓ |
フローシート
既設浄化槽の膜処理システムへの改修事例
液中膜システムで既設処理能力UP!
凝集剤添加型膜分離活性汚泥方式
島根県益田市にある「益田地域医療センター医師会病院」は、療養型病床群の増築工事にともない、浄化槽の規模拡大が必要となりました。
既設浄化槽の処理能力は60m3/日。増築時に必要な処理能力は182m3/日です。
本来なら浄化槽を新設するとなると、既設浄化槽の2倍以上の大きさが必要となります。
そこで当社では「液中膜システム」を使って既設浄化槽を改造し、面積は最小限に、処理能力を約3倍にしました。
さらに放流水質は、BOD除去率85%⇒97.5%に改善することが可能となり、汚水は環境にやさしく蘇生された水に生まれかわりました。
既設浄化槽
計画汚水量 60m3/日
流入 BOD 320mg/ℓ
放流 BOD 30mg/ℓ
増設浄化槽
計画汚水量 182m3/日
流入 BOD 320mg/ℓ
放流 BOD 5mg/ℓ
液中膜で水の再利用
地球環境にやさしい水のリサイクルシステム
恵みの丘では、自然からの恵みの水を大切にし、かけがえのない海を汚さないように水のリサイクルシステムを取り入れています。施設からでた水は、浄化後にトイレに流す水や植物への散水として利用され、余った水は植物浄化水路を経て、雨水と共に、貯水池にためられた後、植物散水に再利用されます。
処理水再利用施設 事例
温井ダム杜と湖の駅(広島県)
処理量:30m3/日
処理BOD:5mg/ℓ
利用用途:トイレ洗浄水・樹木散水
恵の丘(広島県)
処理量:50m3/日
処理BOD:5mg/ℓ
利用用途:トイレ洗浄水・樹木散水
豊浜町花地区農集(広島県)
処理量:35.1m3/日
処理BOD:5mg/ℓ
利用用途:渇水時・蜜柑畑散水
音戸観光文化会館「うずしお」(広島県)
処理水量:60m3/日
放流BOD:10mg/L
液中膜を使用した厨房排水処理システム
給食センター・厨房施設からの排水を処理し、樹木散水や便所洗浄水として中水利用を可能とするシステムです。
液中膜監視システム
液中膜専用監視システムは、定期的な維持管理に加え液中膜施設をより安全に運転管理を行うことを目的としたシステムです。
1.監視装置KG-200
入力点数が倍増し使いやすさを追求。
自動収集や異常時発報など便利機能も追加。
モデムカード(付属品)を送填することで、一般電話回線で監視データを送信できます。
2.投げ込み式水位計
取扱いも簡単な、圧力式水位計。 液中膜施設のために開発された充実機能。
●圧力式で正確な計測
●デジタル表示機能
圧力計KLシリーズ
高精度で安定した計測機能をコンパクトに凝縮した液中膜専用関連機器。
●吸引ろ過圧力測定にはデジタル表示
●取り付け場所を選びません